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本社政経懇話会 長坂氏「空気を買う時代が来る」と警鐘 自然と共生を訴え
伊勢新聞政経懇話会五月例会は二十一日、津市大門の津都ホテルで開き、アマゾニア森林保護植林協会会長の長坂優氏が「地球の肺・アマゾンが病んでいる―植林の重要性と自然環境保護」と題して講演した。長坂氏は「自然と人間が共存共栄、共生できる社会にしなければならないが、一分間に二十九㌶の勢いで森林がなくなっている。原因の半分は日本」「このまま地球が破壊され続けると必ず地球がおかしくなる。空気を買う時代が来る」と警鐘を鳴らした。 長坂氏は、二十五歳でアマゾンのジャングルに単身入植、開墾したが、木を切り過ぎたことへの猛烈な反省から森林保護活動に転身。孤独な入植時代の苦労話や、現地で知った日本人の素晴らしさを紹介した。 その上で、アマゾンの自然がたった一つ教えてくれたことは「皆、目に見える物を大事にするが、本当に大事なのは目に見えないものだ、ということ」と述べ、アマゾンの原生林が生み出す「空気」、明るさと温かさを届けてくれる「太陽」や「エネルギー」、話し相手のない全く孤独な開拓生活で自身を元気づけてくれた「声」―を例に挙げた。 〝地球の肺〟と言われるアマゾンが地球の空気の三分の一をつくっていて「三回呼吸すると、一回はアマゾンの空気を吸っていることになる」と説明。そのアマゾンで森林破壊が進んでおり、世界に流通する木材の50%を日本が消費しているとして、これ以上自然林を「切らない、売らない、買わない」、また「地球一人一本植林運動」で、緑を取り戻す大切さを訴えた。空気の売買に絡み、ヨーロッパで進む二酸化炭素の排出量取引も「裏返すと空気の売買と同じ」とした。 五十年近くに及ぶブラジル暮らしから祖国日本を見るとブラジルでは自然が与えてくれる物を大切にしている半面日本では「毎年七百万㌧十一兆円もの残飯が毎年捨てられているが食料自給率は低い」とし大変驚いたという「いくら豊かになり世界中の食べ物が食べられるからとまだ食べられる食べ物を捨てるなんてもったいない生き方」と述べた さらに、「日本は不況よりも、一番怖いのは少子化」と指摘。資源のない日本が敗戦から立派に再興を遂げた基は、大和魂や武士道精神を持った「人材資源」であり、「子ども数の減少は国の衰退につながる。野田首相は簡単な方法で少子化を止められる。子づくりのため、週二日、夜を停電にする、と言えばよい」などと、笑いを誘いつつ提言した。 【講演する長坂氏=津市大門の津都ホテルで】
by isenp-seikon
| 2012-05-22 17:14
| 掲載紙面より
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